2012/03/29

2012-03-29:アンズ





























父曰く、「UFOみたいなトリミングで載せてや」とのこと。
露のしたたる杏のツボミは、こうして寄って見ると、
確かに穏やかでない雰囲気です。
父の指示通りのトリミングとはちょっと違うかもしれませんが、
なんとなく、こうしてみました。

梅より遅れて。
桜よりほんの少し早い杏の花。
春の度合いを多くの人に知らせるそのふたつの間で、
そのどちらとも趣を少しダブらせながら
しかし“どちらでもない”というところがたまらない。
春の訪れに対して、人よりも繊細・敏感なようでちょっとうれしい。
とはいえ、桜でなく杏の花も花見の対象になるようです。
ま、見ているのが「杏の花」かどうかは、
“花より団子(もしくは酒)”の人(=ワタクシ)には
まるでドウデモイイコトになってしまうのですが。

初夏には実も。
食用にはもちろんですが、杏は薬用にもよく使われます。
貧しい人から診察代をとる代わりに杏を植えてもらった
なんて逸話が中国の呉の時代からあるそうで。
そのくらい、効果も高く、かつ身近だということ。
美しく、甘く、実用的。非の打ち所がありません。

…となると、はたして。
「杏あまさうな人は  睡むさうな」室生犀星
だそうで。あ、やっぱり。はは。

2012/03/28

2012-03-28:オキナグサ


















オキナグサのことを知ったのは、はずかしながらここ数年のこと。
庭に白髪が生えたみたいな植物があったので、
「これ、なあに?」と聞くと、「オキナグサ」と答えが返ってきました。
名前を聞いて「ほほぅ、うまいこと」と感心したので、
早くオキナグサのことを紹介したかったのですが、
どうもイマイチ、タイミングが合わないまま、春がきました。

やっと息の合った今日。
私にとっては、初めて見るオキナグサの花です。
別名「ネコグサ」とは、シャム猫あたりの気高い感じでしょうか。
芝付の  御宇良崎なる
ねつこぐさ  あひ見ずあらば                
我恋ひめやも
「ねつこぐさ(=ネコグサ)のようにかわいいあなたに
逢うことがなかったら、こんなに苦しむこともなかったのに」
と、男性から女性への恋の和歌は、万葉集に詠まれています。
調べてみれば、能楽の「善界」で大天狗善界がかぶる赤熊に似ていることから、
別名「善界草」と呼ばれているとも書かれていました。
この善界とは、野心が旺盛過ぎるがために、
不動明王などから追い払われてしまう坊主のことだそう。
「オキナグサ=翁草」とは漢字のごとく、説明は記録しなくていいでしょう。
やはり見た目に特徴あり、と、過去の人もしたのですね。
銀色に毛羽立つ茎や葉からのぞく深い赤紫の顔は、
おどろおどろしくも色気が漂い、“ケッタイ”ながらに風流です。

暖かくなったり寒くなったり、なんとも移り気なこのごろです。
つい今先ほども、こちらでは雪が少し見えたのですが、
もう今では柔らかい日差しが差し込んできています。
こうして花の咲いているものは、
大丈夫、というしるしなのでしょうか。

2012/03/27

2012-03-27:オオイヌノフグリ


















この写真は、3月の半ばほどに撮られたもの。
連続する暖かい日は新しい季節の到来の予感。
3月半ばとは、そんな日々のことでした。
その一方で、昨日の午前中には雪が降り、
4月間際にきて、まだ冬を名残惜しむような寒さです。
三寒四温、うん、まさしく。
いくら早い春に咲くからといっても
さすがに雪は想像しなかったでしょう。
このオオイヌノフグリ、想像するに、勇み足だったんでしょう。

さて、オオイヌノフグリを見ると、
その度ごとに私は3歳ごろの自分に戻ってしまいます。
「イヌの顔と似てるでしょ。だからオオイヌノフグリ」
耳の奥で響くのは姉の声。
毎度のように聞こえる、未だ鮮やかなその声に
ぷぷと笑いをひとしきり蓄えて、33歳の現在の自分に還ってきます。

姉に「イヌの顔と似てるでしょ」と言われたとき、
私は、少し間を置いて、「うん、似てるね」と答えたのでした。
でもその後もずっと何年も、見るたびに
「どう似ているのだろう」という疑問がふつふつと頭を支配し、
「ひょっとしたら、“オオイヌノフグリ”って、
犬も顔を近づけたくなるようなかわいい花ってことかな」
なんていう逃げ道などを、いくつもいくつも構えるほどに
この名前と花の顔に、静かに心をかき乱されたものです。
「だって、お姉ちゃんが似てるっていうんだもの。
似ているように見えない私は恥ずかしい」なんて、従順な妹でしょう。
そんなことで、数ある春の花の中でも、
オオイヌノフグリは強く強く、私に春を訴えてくる花となったのでした。

実際のところ、
「名前のフグリとは陰嚢の事で、実の形が雄犬のそれに似ている事からこの名前が付いた。ただし、これは近縁のイヌノフグリに対してつけられたもので、この種の果実はそれほど似ていない。だから、正しくは、イヌノフグリに似た大型の植物の意である」
というのが由来のようです。(出典:Wikipedia「オオイヌノフグリ」
雄犬の「それ」と似ている果実(種)を持つイヌノフグリと
近縁にあってちょっと大きな花だから、なんですね。
「先に名付けられたのがイヌノフグリでなくこちらなら、
もっとかわいい名前がつけられていたことでしょう」
などというコメントのあるサイトもありました。


つまり、イヌの顔と花の顔は違うように見えてもよかったのです。
後年、姉に「ね、似てないよね」と言うと、
「そんなこと思ったこともないし、そんなこと言ったかしら」
というような、つるんっとしたハテナ顔で返されたのでした。


姉の言動への少しくらいの疑問はいつもぐっと胸にしまい込んだものでした。
そうしているうち、暗黙のうちに姉の挙動は、
私にとってたくさんのことの判断の基本になっていたように思います。
逆に、姉から見た「イヌの顔と似てるでしょ」は、
私に花を愛でる楽しさに共感してほしかった姉の心情が伺えて愛おしい。
とても些細なオオイヌノフグリの話ですが、
このことは私と姉の関係を象徴しているようで、
オオイヌノフグリを見る度にやっぱりぷぷっと笑ってしまいます。

昨日、季節外れの雪に見舞われ、この花は道の中で目立たず、
花を閉じ(実際に、開いたものを閉じたのかどうかは、おいといて)
じっと身をこごめているように見えました。

春よ、早く、早く、こい。

2012/03/20

2012-03-20:サンシュユ

あまり格好がいいとは言えない落葉した木の枝の途中に、
突然、黄金色の小さな花を見つけました。
思わず、「あっ!!」って言ってしまいました。


ミズキ科 ミズキ属








































うちの庭にきて5年くらいですが、樹型がよくないし、
大きくならないので、切ってしまおうかと考えていた木でした。
切らなくてよかった。

サンシュユは「山茱萸(さんしゅゆ)」山のグミの意味。
日本薬局方「山茱萸」 果実(赤い実)を使う。 
腎臓、肝臓機能亢進、強壮

2012/03/18

2012-03-18:カンアオイ

うちの玄関脇の植え込みのシダの下で、いつも変わらず、
湿った雰囲気で緑の葉を広げています。
ふと気がついて、改めて見てみました。
すでに花は盛りを終えたようです。

植物に詳しい長女曰く「触媒はハエかなにかよ。
腐ったような花はハエを引きよせているんじゃないかな。」
なるほどね、花は暗い紫色、爪を立てると、少し匂います。
花びらと見えるのは実は萼という。
新芽はこの花の付け根から出て来ていました。




ウマノスズクサ科 カンアオイ属



2012/03/16

2012-03-15:三寒四温?

「三寒四温」って、三日寒く四日暖かいから、春の訪れを表現していると思っていました。
、、、そうではありませんでした。ちなみに「三寒」の季語は冬なんですね。
 広辞苑には、三日ほど寒い日が続いた後に四日ほど暖かい日が続き、これを交互に繰り返す現象。中国北部・朝鮮などに見られる。とありました。
  近年は本来の意味合いから外れて、段々暖かくなる意味合いにとられていて、春先の言葉に印象づけされています。(私も調べるまで分かりませんでした)
それで今日の題は近年の使用例によりの「三寒四温」。
「大分暖かくなったのに寒いね。」と言いたかったのです。
3月の雪はキレイですね。


紅梅

ヤブツバキ

モモ




2012/03/08

2012-03-08:春の訪れ

暖かくなったなと感じたら、こんなに花が・・・・。
朝露を浴びて、きれい。

忙しくしているうちに、春になってました。

オウレンの花

オウレンの花に近づく


フクジュソウ開いている。

オキナグサの芽に露が

紅梅

ヤブツバキ 
早くに開花していたが、霜にやられ、今が本番


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜追記〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「忙」は心を亡くすこと?
と疑問に思って、検索していたら、こんなコメントがありました。
「へえ〜」と感心してしまいました。

「忘」と「忙」について
もともと同じ意味だった?
「したにこころ」の字は「心の上に何かをのせる」→「心が自分の意志でこうなった」(忠、志、忍など)
「りっしんべん」の字は「心に何かが寄り添う」→「心が外的なものでどうにかなった」(快、悩など)
「忙」は他のものに心を奪われる・・・「忘れさせられるほど忙しい」