2011/09/29

2011-09-29 ヒメサユリの実


















秋は、夏の後に来て、次は冬が来ます。
生きているものは、秋は忙しい。
冬を迎え、来る春の準備をしなければならないのですから。

ユリは球根で冬を越し、次の春に備えるのですが、
実生活動も活発なのですね。
このかわいいヒメサユリの一莢にたくさん(多分100以上)
薄ペラな種子が整列していました。
開いた莢から、種子は飛び出し、一つひとつが風に乗って、
あちこちに広がり、新しい命となるのでしょう。


たくさんの子づくりに「ご苦労さん」と声をかけたくなります。


庭には、数種のユリが実を付けています。
ヒメサユリと花の形が似ているササユリ、
実も似ています。






ところで、なんとヒメサユリは準絶滅危惧種(環境省レッドリスト)。
東北にはヒメサユリの群生が見られるところもあり、
春にはヒメサユリ祭りを開催しているようです。

追記‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

紅葉が進みました。コマユミ2011-09-102011-06-06





2011/09/27

2011-09‐27 ボケの実 

  
















大きな被害をもたらせた台風の後は、
そんなことはなかったかのように、ずうっと晴天。
澄んだ空気の穏やかな日が続きます。
我が家も賑やかな3日間の休日も終わり、
それぞれが元の生活に戻りました。

庭は秋の気配。結実や紅葉が少しづつ進んでいます。
大きな実はカリンとボケ。真ん中の黄色のがボケです。
長女が庭を散歩中に収穫したもの。

ぼけの花は幼いことから、いつも身近にある花ですが、
こんなに大きな実がなることを知りませんでした。
樹木としての姿は、低木で雑然とし目立たず、
花の時期が終われば、一瞥さえしないでいました。


甘い、いいニオイがします。

ジャムやリキュールとして食べられるらしい。



いろいろ調べて、作ってみました「ボケ酒」。
ボケの実に氷砂糖とホワイトリカー。
ほら、いい感じでしょう。
6ヵ月経つと熟成し、
まろやかで、芳香と酸味、渋みが調和した
リキュールができますよ。

ふふふ、楽しみ。



2011/09/21

2011-09-21:ノコンギク







































ヨメナとノコンギクは、ノギクの中でも特に似たものとされています。
どちらかといえば、ヨメナのほうがメジャーならしい。
ウィキペディアによると、ヨメナという名は
ノギクの総称としても使われるらしいので。

違いは冠毛。
ヨメナには冠毛はないそうですが、ノコンギクにはあります。
それ以外はほとんどいっしょ。
で、ノコンギクは、辞書の中でも
ヨメナに分類されていることがあるようです。
もちろんのこと、私もその違いはよくわかりません。
ただ、見分けのつきにくい関係なのに、
その話だけで、ノコンギクのほうが日陰の存在のように思えます。

ヨメナが花開いていたころ、
このノコンギクたちはせっせと花を開くための準備をしていました。
とてもよく似たふたつなのに、
1ヵ月も咲く時期が違っていました。

2011/09/20

2011-09-20:ツルニンジン








































先日紹介していたツルニンジンがいよいよ咲きました。
みんなが「キレイなキレイな」と評する花は、
釣鐘の中身をのぞいてみると、
赤紫色の斑紋のような模様がところどころに。
これが「ジイソブ」とも呼ばれる所以のようです。


これまで見たこともなかったツルニンジン、
(名前を聞いたこともありませんでした。恥ずかしながら)
母の挿した木も順調に芽が伸びてきています。
茶色の蔓の肌のなめらかさもキレイですね。

2011/09/16

2011-09-16:ゲンノショウコ







































台風の到来も、今年は3度目。
大きな被害も残しつつ、自然は猛威を見せつけます。
車に乗っていてもワイパーが追いつかないほどに、
行き慣れた道も、ちょっと怖いくらいに、激しい風、激しい雨。
雨も風も、激しくなると全てをさらっていってしまう。
だから台風の過ぎ去った後は、
“がいに”掃除された後のように、なにもない。
でも、なにもない中に、秋の実りの香りが漂って、
ジメジメとした夏が一転、喜びの季節がやってくるのを感じるのです。

この写真は数日前に撮影したものです。
ゲンノショウコのこの花びらは、季節の移り変わりに伴って、
実だけを残して散ってしまったものでした。
“散った”ことへの刹那な感じと、
まばらに見える実り(結実、未来への希望)とが、
美しくはないけれども、媚びることもなく、隠すこともなく、
季節や自然の移り気と無情と愛情とを表しているようで、
その現実的な状況に、少しドキドキとしてしまったのです。
この台風が終わったら、
散った花びらたちは飛び去っていなくなってしまうでしょう。

それもまた、をかし。かな。

2011/09/15

2011-09-15:ヒガンバナ







































ヒガンバナに別名があることは、
小さいころに、河原に真っ赤に咲くヒガンバナを
ボンヤリと眺めていた私に、姉が、
「曼珠沙華とも言うがよ。饅頭さげてるみたいやろ」と
教えてくれたことでずっと覚えていました。
本当のところは、仏教に由来するとのことで、
饅頭とは全く関係がないのですが。
他にもたくさん教えてもらいました。
オオイヌノフグリは、たぶん一番最初に知った植物です。
それはまたおもしろい話なので、
何かの機会にお伝えすることとして、
とにかく、姉から教わる植物の名前とその由来は、
インパクトがありすぎて忘れられません。
だって、「饅頭さげてるみたい」というのが、
私の中ではどうしてもそうは見えなかったからです。
でも、姉の豊かな想像力に身を委ね、
「本当に饅頭さげてるみたいやね」と言いました。

暑さ寒さも彼岸まで。
ヒガンバナが見られるという時期ですから、
さすがに朝も夜も冷えるわけです。
そこにスクッと葉も枝もないままに
花だけを頭につけたこの植物は、
幼いころに眺めていたときも思ったように、
やっぱり異様な美しさだなと感じます。
そういえば、最近読んでいる本の中のエピソードに
彼岸花の花束というのが出てきます。
多くの場合そうであるように、
彼岸花は、そこでも因縁のあることの象徴として描かれています。
毎年、道端にも、それこそ河原にも咲いて馴染みがあるのに、
どうしてもその姿には“馴染めない”。

調べてみると、ヒガンバナは中国からの
帰化植物と考えられているそうです。
稲作が伝わったころ、その稲にくっついてきたという説が有力で、
さらに、日本に存在するヒガンバナが
全て同一の遺伝子を持っていることから、
想像もできないくらい遠い昔に伝わった1株の球根が
日本各地に広がったのではないか、と。
その生き方はまた異様で、
花が終わってから後に深い緑の艶やかな葉がついて、
でも春に枯れてしまってからは、
秋の花の時期まで地表には何も現れません。
たしかにこれでは、“よくわからないもの”としての印象が強い。
神がかっているようにも思えて、
崇めるか、それとも、忌み嫌うか。

昼と夜がちょうど12時間ずつになる彼岸の時節。
無駄の一切を省き、造形物のように見える花は、
それこそ、アチラとコチラの回廊を彩っているようにも。
ああしかし、美しい。

2011/09/14

2011-09-14:ヤマボウシ


















前回紹介したのは6月のこと。
真緑の葉に花がいくつもついていて、
チョウが止まったような、リボンを無理矢理に飾ってみたような、
それでも不似合いでアンバランスさが
なんともかわいいヤマボウシでした。
そのころ、牧野植物園にも訪れ
また違う品種のヤマボウシを眺めては、
あれはどうだ、これはどうだと興味をそそられたりして。

今はもう秋。
花は十の昔に終わってしまい、
想像していたよりも真っ赤な実がついていました。
なんと、マンゴーのような甘さらしい。
シャリシャリとした砂糖粒のような食感、とのこと。
秋も、そそられますね。

2011/09/13

2011-09-13:ヤシオツツジ


















初夏には桃色の花を咲かせるアカヤシオも、
いよいよ葉が色づきました。
小さい秋見つけた、といった様子ですね。

アカヤシオは四国には分布していないようです。
白い花をつけるシロヤシオならば、
四万十川源流点のある不入山(いらず)にあって、
それもとてもキレイ。
うちのアカヤシオは、サカタノタネ産です。
葉の色はシアンの強そうな赤ではなく黄色、
大きすぎないカタチも上品です。

昨日は十五夜というのに、
あいにく雲がかかってあんまり見えませんでしたが、
今日の夕方ごろに空を見ると、とてもキレイな月でした。
昼間はまだ日射しが強いですが、
朝晩は半袖では寒いくらいにもなってきました。
いよいよ秋も近づいてきましたね。

2011/09/12

2011-09-12:キツネノマゴ(再)


















晴れ間に雨が降るのは「狐の嫁入り」、
降ったりやんだりは「狐日和」などと、
キツネの入る言葉はとても多いのですが、
ひとつひとつを見ると、少し化かされているような
不思議な光景をいうことが多いようです。
そういえば、随分前にホコリダケというキノコの紹介をしましたが、
これはキツネノチャブクロというのでした。
あと、キツネノハナガサというのも。
他にも、狐憑きなどのオドロオドロしいものに、
「虎の威を借る〜」のようなちょっと小馬鹿にしたもの、
狐福のように小気味よいものなど、
「キツネ」とつくものはたくさんあります。
これらは、キツネに化かされつつも
擬人化したキツネをかわいいと思っている様子がうかがえていい。
ちょっと身近で、そういえば近くにいそうで、見透かされてもいそうで、
なんとなく心底からは憎めないものばかりのように思えてきます。

さっそく教えてもらった植物の名前は「キツネノマゴ」と、
またなんともかわいらしい名でした。
想像するのとは違って「狐の孫」という意味ではないらしく、
由来は不明のようです。
由来を探ってみようと思って近くで寄って見てみれば、
「キツネノマゴ」という名とは関係なく、
ひとつひとつの花が、舌を出しているように見えてきました。
よーく見るととても可憐なのですが、
昨日も紹介していたようにどこにでもある雑草で、
あまり誰からも注目をされません。

近似種で「キツネノマゴ科」というのは熱帯に散在。
スズムシソウやアカンサスなんかも仲間にあたるそうです。

2011/09/11

2011-09-11:シソノヨウナモノ


















小さな花が、頭にポツンと咲いていて、
見ていると、あまりにかわいらしかったので。
ただの雑草です。
シソのような花ですが、全然関係ないかもしれません。
葉のカタチは全然違っているので。
日なたでも、日陰でも、どちらにもおります。

今朝は雨が降っていました。
この時期、雨が降るとぐぐっと寒くなったような気がします。
日も照らない、冷たい雨。
雑草は、そんな場所でも、
逆に夏の日射しの厳しいところでも健気。
頭に挿した花飾りは、
素朴でたくましい少女の“馬子にも衣装”の状態のようで、
おめかしをしてうれしそうに見えるのです。

こちら、名前が全くわかりません。
もしわかる方おられましたら、コメントをどうぞよろしく。

2011/09/10

2011-09-10:コマユミ


















少し天気の不安定だった今日は特に、肌に触る風が冷たくて
「もう長袖だねぇ」なんて思っていたところでした。
冬に向けて衣替えの季節か、
庭にあるいくつかは赤や黄色に色づく準備をしています。
小さい秋、見つけた。という感じかな。

コマユミの葉もまばらに紅葉しはじめました。
(関口宏の白髪がメッシュ仕様なのと似ている…)



2011/09/09

2011-09-09:シャクナゲ


















シャクナゲは、北半球の亜寒帯から熱帯山地、
赤道を超えて南半球はニューギニアやオーストラリアまでと、
地球規模で繁殖している木です。
大きい花は、派手で存在感もたっぷり。
花のみならず、葉っぱのほうも厚みやそのカタチから、
なんとなく、そのまま通り過ぎることのできない感じがあります。


シャクナゲも、ツボミをつけたまま冬を越すのでしょうか。
花は5月ごろ。
ならばもう、衣替えの準備は万全といったところでしょうか。

2011/09/08

2011-09-08:ツルニンジン







































庭の草刈りとは難しいもので、誰かが大事に育てているものを、
それとは知らずにサササッと除いてしまうことも。
うちの庭はどこにでもあるような山野草がたくさんあるので、
余計にその傾向が強い。
つい1週間ほど前のことでしたか、
ようやくツボミをつけたツルニンジンを確認した直後、
母は何も知らずに、バサリと刈ってしまったのでした。
父と姉は、去年も一昨年も、
ツルニンジンの花を待っていたのですから、
浴びせられる非難轟々も、なかなかに厳しいもの。
せっかくのサービス精神が仇となり、
母はシュンとなりながらも刈られたツルニンジンの
再生プロジェクトを只今絶賛実施中。ふふふ。

そんなことがあった数日後。
「ツボミ、あったー」と、今度は意気揚々の発見。
庭ではなく、玄関先に生きるツルニンジンです。
この発見で、なんとなく家族がホクホクとうれしくなりました。
そうはいっても、ツルニンジン、
東アジア全域にわたって、森林には
どこにでも生育しているようなもんで、
絶滅危惧種とかでもないし、珍しくもなんともありません。
だから他の家庭では、
こんなにも議題にのぼることもないんでしょうが。

そんなにも待ち焦がれられているツルニンジン。
釣鐘型の花がそろそろ咲きそうになっています。
外側は白く、内側は部分的に赤いそう。
楽しみです。
咲いたらまた、報告ですね。

追記
母が植えた(埋めた?)ツルニンジンの挿し木、
どうやらうまいこと育っているようです。
「ありゃ、10本とは言わんくらい新しい芽が出ちゅうけど」
と、むしろ誇らし気です。

2011/09/07

2011-09-07:ヘクソカズラ







































実りの秋。
でも、当然ながら、時期の終わってしまったものは枯れてしまう。
咲いていたのはつい先日のこと
名前からは全く想像のつかない
フリルたっぷりの花を咲かせていたのが嘘のように、
いつの間に実も終わったのか、
それともただ枯れてしまったのか、茶色い姿になっていました。
クモの巣の張っている様子も、刹那、という感じです。
それでもむしろ、この“終わってしまった”という姿が美しく、
どうしても処分をする気になれないでいます。

当たり前ですが、どの季節にだって生きている証はあるもので、
咲いている花や実っている実を目にして喜んでいるその片隅では
いつでも粛々と生命活動が営まれ続けている。
本来、生と死とを考えたときに、
これもまた、“常”であるはずの枯れた姿なのですね。
そして、これは、ドキリと心を動かすほどに美しい。

それにしても、実の時期がもう終わっていたなんて。
ヘクソカズラは、実なども乾燥して
初めてニオイから開放されるそうで、
おそらく最も臭いはずであろう実の時期を、
怖いもの見たさで待っていたのですが。
それとも、本当に、ただ枯れてしまったのでしょうか。
今年は雨が少なかったので
たくさんの植物がカラカラになってしまいました。
(レンゲショウマもダメでした。残念…)
ここで花を紹介したのも8月の頭のことですから…。
だから心配もしています。

2011/09/06

2011-09-06:エイザンスミレ

花は、4月から5月の春のころに。
山野の日当たりのいいところに、淡い紅色か白い色で咲かせます。
スミレと言うなら「紫の小さいの…」とすぐに頭に浮かびますが、
こちらはそれよりやや大きめでもあります。
下にほっぺたが重力に負けて垂れ、舌を出しているように見えるので、
パンジーみたい…と思うのは私だけでしょうか。
どちらもスミレ科スミレ属なので、
当たらずとも遠からず、なのですが。

葉は、まず元のほうで3裂に割け、
先にいくほどさらに細かく割けています。
こうして葉が割けるものは、スミレには3種類しかないらしく、
先日のフイリフモトスミレを紹介していたときに、
指摘してもらうまで間違っていた「ヒゴスミレ」も
そういう葉のカタチをしているひとつでした。

さて、うちの庭ではこのエイザンスミレがたくさん生えています。
それこそ、木陰などではなく、人の通る道のすぐ脇辺り。
つまり、あんまり他に光を遮るものがないところに生きています。
ほとんどは、この頭にのっけた写真と同様、種となっているものばかり。
これは季節感とピッタリ合致してそうな感じします。実りの秋だし。
でも、中には、ツボミをつけているものも。
父曰く、これはツボミのまま冬を越すんじゃないか、とのこと。
それもまた気が長く忍耐の必要な話で、
それまでこのまま待っているのか、寒さに耐えられるのか、
と、ついつい頭が垂れてしまうのでした。

2011/09/05

2011-09-05:シロモジ


















以前に紹介したのはまだ新芽が出てきていたころ。
だから、新しい紅い葉と黄色の若い葉、
それに少し青くなり始めたキミドリの葉とが
グラデーションをつくっていて
とてもキレイなものでした。
夏を過ぎれば青々と。
あの頃の色がイメージしにくいくらいに、健康的な真緑に。
そして、もう秋ですから、黄葉に染まっていくワケです。
そろそろ実の成る兆しも見えてきましたね。

2011/09/01

2011-09-01:ツバキ


「花椿」は春、「寒椿」「冬椿」は冬。
季語で椿を指すものの中に、秋を意味するものはありません。
椿は冬から春にかけて。
寒々とした空の下に、ドキッとするくらいに赤く美しく咲くものです。
でも、うちの庭では、もうツボミがついてしまいました。
今は秋。というか、夏の終わりかけの時期なのですが。
これは一体、どういうことなんでしょうか。
季節を間違えすぎて、本人も、飛び出てびっくり、てなとこでしょう。

足元を見れば椿の芽が出ていました。
思いがけなくツヤツヤの、なんとも風流な葉です。