2012/01/16

2012-01-16:カシ--大きな木

どんよりとした空から時折薄日がさし、粉雪が舞っています。
温度はさほど下がっていませんが、薄ら寒く感じます。
うちの庭に隣接して、大きなカシの樹があります。
大きな樹はそこにあるだけで、包容力を感じ嬉しいものです。
日陰をつくり、風を遮ってくれ、
秋にはたくさん、たくさんドングリを落とし、
近くの子ども達が拾いにきます。
そして、春には、どんぐりからいくつも芽吹きます。
たいがいは、この樹の下の日陰で枯れたり刈られたりしまいます。
このカシの樹、毎年毎年1メートルずつ大きくなっています。
ここに住み始めた5年前には、この先にある信号機が見えていたのに、
今は全く見えません。


カシの樹、庭から4メートル下の公園に植わっている。種類はわからない。








































子ども達が幼かったころ、読んだ絵本を思い出しました。
それは「大きな木」という絵本。「大きな木」と「ぼうや」のお話です。

大きな木とぼうやは仲良しで、ぼうやは木が大好きで、木と遊びました。
ぼうやは成長して、木に会いに来なくなってしまいました。
ある日、大きくなったぼうやが木のところへやってきます。

木は昔のように遊んでおいきと言いますが、ぼうやは言います。
「おかねが ほしいんだ。 おこづかいを くれるかい。」
木は困りましたが、実をすべて与えます。
大人になったぼうやは家を欲しがり、木はその枝を与えます。
年老いたぼうやは船を欲しがり、木はついにその幹を与え、

切り株になってしまいます・・・与え続けるりんごの木。
実をすべて与え、枝をすべて与え、そして幹さえも与えてしまいました。


「木は それで うれしかった・・・ だけど それは ほんとかな。」
木は、本当に幸せだったのでしょうか?
木がしてあげたことは、ぼうやのためになったのでしょうか?
「与える木」として考えること。「与えられる木」として考えること。
解釈はいろいろでしょう。人生経験、考えが様々だから。
「大きな木」は、引っ越しの時から、この家にないけれど、
あのきれいな緑の表紙をまた見たいと思いました。
あの本を前に、自分はどう思うでしょう。

1 件のコメント:

  1. カシ類は常緑広葉樹林を構成する主要な仲間の1つです。
    日本の暖温帯気候下にはブナ科のカシ類のほかに、同じ科のシイ類やクスノキ科の仲間(タブ、ヤブニッケイなど)が主に高木層を形成するといわれています。(しかしクスノキは大陸から持ち込まれた植物であるといわれている。)

    ただし、こうした気候帯では早くから人間による攪乱にさらされてきたため、本来の植生を保ってきた場所は少ないのが現実です。
    つまりは、たとえ常緑広葉樹が生えていたとしてもほとんどの場所は人為的な伐採、あるいは火入れによる焼失などで、一度は森林が失われたことがあるといえます。
    宮崎県の綾町には、日本最大規模にして世界的にも貴重な「綾の照葉樹林」と呼ばれる暖温帯性常緑広葉樹林が残存しています。


    高知県には部活動の遠征で冬季を中心に何度か訪れたことがありましたが、温暖で降水量に恵まれているためか、常緑広葉樹林の発達が著しかったという印象があります。
    逆に地元・岡山では温暖な南部ほど乾燥が激しいために落葉樹が高木層を占めている森が多いです。
    つまり単に温暖な気候帯であっても、降水量が違えば森林の構成は大きく変わってくるようです。
    年間降水量については高知県(平野部)が2500mm前後に対し、岡山県(平野が広がる南部)では1100mm前後と高知県の半分にも及びません。
    岡山県の過去の記録では、降水量が少なかった年には夏に落葉樹が葉を落として雨緑林のようになったことがあったそうです。

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