2013/07/04

2013-07-04:シロハナガサ(名称不明)

「目に見えるものは何でもいい」
「青い空、とか、緑の草、とか。順番もルールもなし」
私たちは鉛筆とノートだけを持って、
獣道を抜けて、近くの、眺望のいい公園に行った。
何を書いたのかは覚えていない。
はじめは戸惑って、何をどう書いていいのかわからなかった。
そのうち、雲のカタチや草のカタチや、調子に乗ってどんどん描いていく。
これは中学のときの国語の授業のことだ。
他の人のノートをのぞいてみると私のとは全然違うものを書いてあったり、
同じものを同じ角度で書いていたつもりでも書き方が違っていたりして、
同じように同じ場所で何かを見ても違って映るんだなと感心した。
絵で描くのと文字で描くのとは同じことなんだなと思った。

日本語で色名が豊富なのは、それだけモノの見方が繊細だからだとよく言う。
モンスーン型の民族だからそうなのだとも。
生活やイノチに関わる色がたくさんある。
その結果、色の表現が増えたのだろう。
うちの庭にも色がたくさんある。
この季節になると、水分によって色が鮮やかに目に反射するようになる。
緑と一口に言っても、それ自身の持つ色に加えて
光の反射や水の蓄え具合によって見え方は様々だし、
緑だけじゃなく、紫やピンク、オレンジ、キイロと
それぞれの色について様々だからちょっと忙しい。
そう思って見ていると、小さな白いものが意外と目立つのだった。

このキノコの名前はわからない。
いつかここで記したキツネノハナガサかとも思ったのだけど、
どうやら様子はかなり違っている。
小さなころから菌類をこよなく愛してきた姉にもわからないそうだ。
菌類の世界は広くて深い。
ここを掘り始めると本当にキリがないのでやめておこう。
ただ、この、小さな小さな白いキノコがある、ということに留めておこう。

エスキモーなどの雪の中で生きている人たちは
“白”に対する名前をたくさん持つらしい。
毎年の雪に対しても、「今年の雪の色は〜」なんてことを思ったりするのだろうか。
それならば、この白いキノコは「白い」とは別の表現を持つのか。
なんて、果てしないことも想像してみたりして。

とりとめのない雑記でございました。

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