2013/06/06

2013-06-06:シロモジ

うちで「ヤカラメ」と呼ばれるシロモジ。
姉のココロをわしづかみにしてうちの庭にやってきた一方で、
山仕事を生涯の仕事としてきた故・祖父にとっては
なんのために存在しているのかよくわからないといった印象に加え、
たくさん生えてくるから「こいつめ」「輩め!」となったよう。
ま、多くの山の漢たちがそう思い、呼んだんだと想像するのが簡単だ。
このハナシは、前にシロモジを紹介したときも書いた。

“シロモジ”に関する、姉と祖父の想いの違いを思い出すと、
ときどき、ワタシの頭の中ではぐるぐると考えが一通り巡る。
生きるのに必要でなかったシロモジは、
生きるのに祖父ほど必死でない私たちにとって
オシャレに見えるということは、一体どういうことなんだろう。
とにかく、都会の粋な方々がクロモジを楊枝に仕立てたように、
ワタシたちがシロモジに粋を感じていることに間違いはない。
葉の、少し丸みを帯びながらのんびりと3つに股を割った様子は素朴だし、
新芽の今のころの赤と緑のグラデーションも美しい。
非の打ち所がない、というよりは、ホッとさせる雰囲気、というような感じ。
だから、とても魅力的に映る。

山仕事の最中に「ああ、またか」と思った先人の気持ちは、
その現場にいないワタシには想像することができない。
ただ、「それがなければ生きていけないもの」ではないとわかったうえで、
価値を思うなら、そのココロは「余裕」「遊び」からやってくるのだろう。
素朴で質素なシロモジに、ときどき「豊かさの象徴なんだな」と思う。

今年の新芽も順調。
秋の紅葉を、ワタシは注目して見たことがない。
今年はちゃんと見ておこう。

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