2013/06/14

2013-06-14:カキラン


「カキランが咲いたで」との姉の発信。
これに父が「知っちゅう。咲いたね」と応答。
それを聞いてワタシも探していたけど、
いつものところにあるはずのカキランが見当たらない。
今朝、父はカメラ越しにカキランを見つめて、
「いつものところにはなかったろう」とニヤリとした。
土や草にまぎれて目立たず地味だが、見つければ、
その特異な色彩と整った姿カタチに、ココロが動かされる。
みんな、カキランのことが好きだから、
カキランが花を開くととてもうれしそうに報告し合っている。
なんてゆるりとしているのだろう。

ワタシにとっては、この庭で見たのが初めてだった。
一昨年前に、姉の、カキランの思い出を聞いて、
それをここに記録してある。
「だれも知らない、わたしは知っている」というのは
人間関係で言えば裏を探りたくなる狂気的な言葉だけど、
こと植物なんかにおいては、ココロを満たすささやかな喜びとなる。
カキランについて、改めてインターネットで調べてみると、
学術的なことばかりのサイトか(余裕のあるときに見ようと思う)、
ほんのちょっとの情報しかないページたちにまぎれて、
個人的なブログやらなんかには、やはり同じように
「小さくて目立たない地味な花、なのに見つけたときの喜び」
みたいなことがよく書かれてあった。

柿渋色の服は、着ている本人が思うよりも派手ではない。
和服なんかでも思うことだけど、
庶民的で地味ながら、意外と美しく見えることが多い。
カキランはちょうどそんな感じ。
ショウブなどといっしょに群生していることもあるようで、
濃い群青の中に柿渋色がさしている様子は
地味な色合いながらに美しいだろうなぁ。

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ちなみに、カキランにはアリがよく侵入する。
アリは蜜を盗むものの、カラダが小さすぎて花粉を運ぶことはできない。
カキランの種子は、胚と種皮からなり、水を吸って外に出る。
さらに膨らんで仮根を出し、仮根からラン菌を取り込み、
ラン菌によって糖類やアミノ酸、植物ホルモンを供給されて
やっと生育できるそう。
ラン菌を取り込むことのできる種子は少ないため、
種子は大量につくられるとのこと。

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