「カキランが咲いたで」との姉の発信。
これに父が「知っちゅう。咲いたね」と応答。
それを聞いてワタシも探していたけど、
いつものところにあるはずのカキランが見当たらない。
今朝、父はカメラ越しにカキランを見つめて、
「いつものところにはなかったろう」とニヤリとした。
土や草にまぎれて目立たず地味だが、見つければ、
その特異な色彩と整った姿カタチに、ココロが動かされる。
みんな、カキランのことが好きだから、
カキランが花を開くととてもうれしそうに報告し合っている。
なんてゆるりとしているのだろう。
ワタシにとっては、この庭で見たのが初めてだった。
一昨年前に、姉の、カキランの思い出を聞いて、
それをここに記録してある。
「だれも知らない、わたしは知っている」というのは
人間関係で言えば裏を探りたくなる狂気的な言葉だけど、
こと植物なんかにおいては、ココロを満たすささやかな喜びとなる。
カキランについて、改めてインターネットで調べてみると、
学術的なことばかりのサイトか(余裕のあるときに見ようと思う)、
ほんのちょっとの情報しかないページたちにまぎれて、
個人的なブログやらなんかには、やはり同じように
「小さくて目立たない地味な花、なのに見つけたときの喜び」
みたいなことがよく書かれてあった。
柿渋色の服は、着ている本人が思うよりも派手ではない。
和服なんかでも思うことだけど、
庶民的で地味ながら、意外と美しく見えることが多い。
カキランはちょうどそんな感じ。
ショウブなどといっしょに群生していることもあるようで、
濃い群青の中に柿渋色がさしている様子は
地味な色合いながらに美しいだろうなぁ。
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ちなみに、カキランにはアリがよく侵入する。
アリは蜜を盗むものの、カラダが小さすぎて花粉を運ぶことはできない。
カキランの種子は、胚と種皮からなり、水を吸って外に出る。
さらに膨らんで仮根を出し、仮根からラン菌を取り込み、
ラン菌によって糖類やアミノ酸、植物ホルモンを供給されて
やっと生育できるそう。
ラン菌を取り込むことのできる種子は少ないため、
種子は大量につくられるとのこと。
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