2013/05/10

2013-05-10:スズムシソウ

花の唇弁がスズムシに似ているということで、牧野博士が命名。
林(木陰ということか)と充分な空中湿度を好むそう。








































名前の通りに鈴の音を奏でる虫が
いくつも停泊しているような様にちがいない。
スズムシのオスは、その羽を擦り合わせてメスを恋う“声”を出す。
でも、スズムシソウからは、
スズムシほど切実な感じがしないのはなぜだろう。
私には、「見つけてほしい」とも
「見つけないでほしい」とも特に何も言わずに、
ただ、普通のツルンとした涼しい顔で立っているように見える。

生態はいわゆる“草食系”というべき執着のなさ。
涼しくて程よく湿度のある林の中を好み、
「10年ほどで3株に殖えることもやっと」というほどに、あるいは、
東北では「一輪車で塀の上を進む最長不倒記録」と比喩されるほどに
繁殖どころか親株の維持すら難しいのだそうで、
株が増殖することはほぼないといっても言い過ぎじゃない。

今日は恵みの雨でしょうか。
でも、ここ東津野の山あいにあっては、
日が照らなければ昨日までの初夏の気分はどこへやら。

先日も記録したスズムシソウを、珍しいのでもう一度。

0 件のコメント:

コメントを投稿