叔母が「やぁ」と庭から現れたときに、ふたりで庭を眺めながら、
増えすぎたオウレンの種について、
または、最近のワタシと叔母の共通の興味である
メダカについてハナシをしていた流れで、ふと、
「お父さんはヤマボウシが好きだったそうよ」というハナシになった。
「小さいころに、山で、頭にいっぱいリボンをつけてるみたいな姿を見て、
『あ、いいな、かわいいな』って思ったんやって」と言うと、
子どものころに父と遊びたおしていた叔母は
「え、そんなの、初めて聞いた」と目を丸くしていた。
そう、ワタシもこのハナシを初めて聞いたときに驚いた。
父が草花を好きだということは知っていたけど、
それがヤマボウシというのは、なんだか、意外だったのだった。
ヤマボウシが花をいっぱいにつけた姿は、
なんというか、ワタシにはとてもガーリーに映ったので。
ヤマボウシ。
ここへ移植されてきたころは、
皮がはがれ木肌が露になってしまったりと、
「ちゃんと居着いてくれるかな」「移してきて悪いことしたかも」
と心配が尽きなかったそう。
でも、今ではこちら(2012年6月の記事)でも話題になったように、
父の幼馴染みのようなヤマボウシはうちの庭の中心の木となった。
おじいちゃんの葬儀のときも、
手伝いに来てくれていた近所のおばちゃんが
「まぁ、なんとりっぱなヤマボウシやね、この実は好きなのよ」
といって場を和ませてくれていたりした。
普段の会話にのぼるのに充分な存在感と個性。
うちのヤマボウシは、とてもいい木なんだなとワタシも思う。
リボンのような、または、チョウが頭に留まったような
かわいらしい花が今年もついた。
中央の丸い花が坊主頭、その周りの4枚の花弁は頭巾。
それで、“山法師”と名前がついている。
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