2013/05/22

2013-05-22:ヒメサユリ

それこそ先日の姉との庭のパトロール中に、
草の陰からひょいと小振りなピンクの顔がのぞいているのが見えて、
「あら、かわいい」とついつい思ってしまった。

ワタシからすると、どんなユリであっても、こんなふうに、
ユリをかわいいと思うとは思わなかったので少し驚いている。
というのも、ここに引越す前の家には
よく山から摘んできたヤマユリが挿してあって、
ワタシはその花の匂いも、黄色の花粉が落ちて散らばってるのも苦手だったから。
“生涯・生物部”を自任する姉は子どものころからヤマユリが好きで、
ヤマユリの花びらの内をのぞいては、自らがハチか何かの代役となって
よく爪楊枝なんかを使って受粉をさせていたのだった。
姉の、植物に対する健気な姿は大人たちから喜ばれ、
妹のワタシにとっても羨望の的だったのだけど、
ワタシはどうしてもヤマユリが好きになれなくて、
姉がするようにできることを幼心に諦めた次第。
それが入り口となって「植物はわかりまへーん」とハナを垂らしていたのが
今になって、まさか「かわいい」なんていう感想が浮かぶとは。
それも、信じられないことに、ユリに。

オトメユリ、というのが学名らしい。
自生している土地ではヒメサユリの名で通っていることが多いとか。
ほんの微細な違いだけど“オトメ”よりも“ヒメ”のほうがしっくりくるのか。
“オトメ”だとちょっとだけ美しすぎる。大人しい、か弱い感じになりすぎる。
“ヒメ”だともう少しだけ元気があって、
なんだか頭をウリウリウリとなでてあげたい気分。
いっしょに過ごしている土地ならば、こちらのほうが合っている。
でも、ま、いずれにしても可憐な姿を彷彿とさせる、
まさに“名は体を表す”…もとい、“体は名を表す”ではないでしょうか。


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うちの庭の写真を撮っている父が、
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