2011/06/11

2011-06-11:クマシデ



これも“ユミギ”同様、「わからない木」。
とにかく、濃い緑の葉に葉脈の溝がしっかりと規則的についていて、
あと、花らしきキミドリの包みが重なって
松ぼっくりのようなものができています。
どこにもなさそうな風貌で、私のお気に入りのひとつ。
うちの山(標高600m以上)からやってきました。

じいちゃんや姉に聞くと
「標高の低いところでは見たことがない」とのことで、
だから「うちでちゃんと育つのか不安だった」そうです。
庭にあるのは高さが4〜5mほど。大きくなりました。


上が花。
この、緑の松ぼっくりのようなものが
たくさんなっています。
(“咲いている”よりしっくりきます)
下が葉っぱ。
花とは色がけっこう違います。




松ぼっくりみたいな花を
1つずつめくってみると、
それぞれにメシベとオシベらしきもの。
紅く染まった花びらは、
日によく当たったからだと思われます。


おそらく、花穂に包まれた実が育って重たくなって下向きに地面に落ち、
それによって土に種が植わるという仕組みになのでしょう。
上向きに落ち、乾燥させてかさを開き、
かさから種子を飛ばす松ぼっくりとは広がり方が全く違う。
カタチが似ていても、それが何でできていて、
どこに重心があるかで生き方が変わってくる。
そんなことに思いを馳せて感慨深くなったりして。

さて、この木の名前ですが、
牧野植物園の小松さんによると「クマシデじゃないか」と。
シデの中では花穂が最も大きいことから「熊」と言う。
漢字では「熊四手」「熊垂」と書くようです。
また、「カタシデ」との別名もあるそう。
材が堅いから「カタシデ」とのことで、建材にもよく使われます。
材が堅いということは、大きく育った個体に出会うことも稀なようで。
ブナ目カバノキ科のクマシデ属、落葉広葉樹。

…植物図鑑買おうかな。

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追記

同様に“ユミギ”についても続報。
こちらは、「コマユミじゃないか」と。
家では「マユミ」か「ニシキギ」かで
論争になっていましたが、これで解決。
それにしても、「ユミ」と名前に付くあたり、
やはり目につく特徴は
だいたい共通するものなんですね。

3 件のコメント:

  1. ビールのホップみたいやな、と思っていました。ホップ、CMでしか見たことないけど。なんかね、子どもが松ぼっくりを集めるのが分かるような、そういう感じの実がなるね。散歩してて降ってくると、ちょっと嬉しい。ま、集めませんが。

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  2. こんなふうな形状をしているものがある、ということ自体が驚きで。ホップ?、なるほど。

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  3. クマシデは実のなり方が他のカバノキ科のものと違ってかなり特徴的ですね。
    中国地方では山間部の標高300mくらいより上で出現するようです。

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