2011/06/30

2011-06-30:バラ(総称)

バラは西洋のものという印象が強いですが、
古くは『万葉集』にて

みちのへの茨(うまら)の末(うれ)に延(ほ)ほ豆の
からまる君をはかれか行かむ

と読まれ(茨・うまら=バラ)、
また江戸時代にも与謝蕪村が

愁いつつ岡にのぼれば花いばら

と歌にし、
近代では宮沢賢治や北原白秋にも愛されたそう。
あるいは、最近では福岡伸一博士の著作にも、
青いバラの花の話は(生物学的な話として)登場しています。

“西洋”といっしょにイメージされるのは
『ヴィーナスの誕生』や、またはエリザベス一世だとか。
おとぎ話の中でなら、私なら真っ先に
『ふしぎの国のアリス』を思い出します。
ドレープにレース、アールデコ、香水に宮殿…。
ほぅっと、遠く遥か届かないきらびやかな世界です。
そんなことから、私は日本人なんだと確認できてしまうのも
ちょっとおかしな話ですね。


牧野植物園にもたくさんのバラがあります。
初めて“バラ”ということを意識して見たときに、
「誰にでもわかる花なんでしょ…」と軽く舌打ちしたのですが、
たくさんの種類があって、それぞれがとてもいい。
色も香りもたくさんあって、カタチも、花弁の数も様々。
「たっぷり」といった表現が適切でしょう。
それらがアーチを作っているのですが、
たくさんのふくよかなドレスに囲まれたようで
うれしいため息が漏れてしまいました。


うちに来たのは数年前のことでしょうか。
何かのお祝いにと、母がもらってきたバラを
庭に植えていたら、勝手に育っていました。
本当は、父も姉も、バラを植えたくなかったのです。
ついこないだも、「ほら、うちの庭にそぐわない」なんて
姉は言っていたのですが、咲いてみるとやっぱりかわいい。
控え目な葉っぱも、他の山野草に自然に混じっています。

ブルドッグのようなこのバラは何と言うのでしょう。
ちょうど昨日、姉が「◎×△□バラって名前」と教えてくれたのですが、
一晩たつと忘れてしまいました。
姉が帰ってきたら、また聞いてみるとします。

これもまた、別の品種です。
濃すぎない朱色、小振りの葉っぱがまたいいですね。
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追記

終わってしまいました。
散ってしまった跡も
“いとをかし”か。

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