2011/06/19

2011-06-19:ウメノキゴケ


















どうです、このオドロオドロしい感じ。
白色の混じったミドリの皮膚が
ぺったりとくっついて、ところどころに
吹き出物が割れたクレーターのようなものが見えます。
「キモチ悪い!」なんて思われるかもしれません。
父も「これは取り除きたいがやけど…」と
写真をなかなか撮ってくれませんでした。

これはウメノキゴケのひとつ。
地衣類の一種だそうで、
「コケ」と名付けられてはいるものの、
生物学的なコケ植物ではないそうです。
光合成のできない菌類と
光合成のできる緑藻類またはラン藻類の美しい共生。
おかげで、空気中の水分を取り入れることができます。
根っこはなく、この幹(モミジ)にも、ただくっついているだけ。
ちなみに、南方熊楠はこの地衣類に熱狂したらしいです、うふふ。
(水木しげる作の『猫楠』は必読ですよ!)

「最も強固な相利共生の一例」と言われるだけに、
墓石や銅像の他にも、たとえばアスファルトの上だとか、
ビルの屋上のコンクリートなんかでも普通に目にすることができます。
(それでも、環境指標のひとつらしい。できないところってあるの?)
そういうところで見ると、ヘドロか何かと混同し、
ただ不潔なだけにしか見えません。
でもこの、自然界になさそうに見える配色が
こうして改めて植物の中に紛れ込むと
あまりに個性的すぎて心惹かれてしまうのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿