2011/06/16

2011-06-16:ササユリ

 

正直なところ、見た目ですぐに「キレイ」とわかるものに、
私はそんなに関心を寄せてはいませんでした。
パッと華やかなのですが、
みんなが同じように「キレイな」と思うだろうと思うと、
もう少し他のものを探してみようか、とカラダが自然と避けてしまう。
小さく生えた葉や茎や、妙なカタチをした実や花など
人の注目をなかなか集めないもののほうが、
地道でサボッていない、というような印象で、心を動かされるのです。


おとつい、ササユリの花が開きました。
(写真はおとつい撮られたものです)
じっとササユリを見てみると、
アリと、バッタの幼生のような虫など、
匂いに誘われてやってきたものたちが
くっついていました。
彼らの向かう先には、つやのあるめしべに、
こぼれるほどたっぷりと花粉をつけたおしべ。
その様子は、こちらが思っていた
ユリの華麗なイメージを1歩奥へ進めるものでした。


ユリの花は単に「キレイ」というよりも、
何か他の生き物を、惹き付ける力があるのだろうと
思い直しているところです。
それは彼女が生きる上でとても大切なことに分類されるのでしょう。
そういえば、子どもの頃、家に飾られたユリを、
姉が一生懸命に受粉させていた姿を思い出します。
誰もが「キレイ」と認めることにもまた、理由があるんですね。

このササユリは、うちの山からやってきました。
大きくて華やかな顔は、
今、雨に降られてうれしそうにユラユラと揺れています。
この「ユラユラ揺れる」様が
名前の由来(揺り)だとする説が強いそうです。

1 件のコメント:

  1. ササユリはきれいですね。
    花の色合いがすばらしいと思います。

    一般的なキレイなものは自然に避けてしまうという気持ち、分かります。
    庭にもっと個性を出したいのではないですか?
    少なくとも私はこれを目指しています。
    ただし、このときに注意しなければならないのは、希少品種に手を出さないことです。
    特に山野草の場合は乱獲などの問題もあるので・・・。

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