2011/07/04

2011-07-04:ジャノヒゲ



















ジャノヒゲといえば、青紫の種子(実ではないらしい)。
玉のような…ちょうどビービー弾みたいなもんで、
小さいころは、竹の鉄砲の玉にして遊んでいました。
「ポンッ」という乾いた音が小気味よく、
何度も何度も竹に詰めては撃っていたように思います。
(竹は誰が調達して、鉄砲へと作り替えてくれていたんでしょう?)
玉のことを、何か別の名前で呼んでいたような気がするのですが、
ちょっと思い出せません。
草むらや人の家の花壇に忍び込み、
いっしょうけんめいに青紫の玉を探したもんです。
草をかきわけ・かきわけして、両手にいっぱいになるまで探しました。

その玉のあった緑の群落と、このかわいらしい花とが一致しようとは。
「ジャノヒゲっていうたら、あの青紫の玉よ」と言われても
何の話をされているのか、一瞬戸惑ってしまいました。
花は今まさに盛りといった様子ですが、コケの上に、あくまでさりげなく、
小さな玉のような薄紫をコロンコロンといくつもつけて平然としています。
種子も同じく「コロンコロン」なのですが、
色が濃いせいか、それとも玉がはっきりと球だからか、大きいからか、
もっと意思や主張があるように思えてなりません。
とにかく花との佇まいの違いから、
全く別のものとして印象づけられていたようです。
この庭には、うちの山からコケごとやってきたらしい。
花は、もしかしたら、移動してきたことにすら
気づいていないようなとぼけ顔です。

花言葉は「変わらぬ想い」ですが、
この花言葉は、花というよりはむしろ、
常緑の葉に向けてのことではないかという気がします。
『万葉集』でも
    あしひきの 山菅の根の ねもころに
     我はそ恋ふる 君が姿に
などと読まれているんですから。
※昔は「山菅(やますが)」と呼んだらしい。
根の際から生える線形の葉は、日陰のほうがむしろ深い緑で茂ります。
この線形の葉のカタチを模して
「ジャノヒゲ」もしくは「リュウノヒゲ」と名付けられました。

茎は、高知では食用とされるそうですが、私は食べたことがありません。
ゆがいて、さらにアゲなどといっしょに煮て食べるんだそうです。

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