2011/07/14

2011-07-14:フウロソウ


















「夏の朝に、朝霧が露になり、花について風に揺れる様子」
というのが、「風露(ふうろ)」の意味なんだそうです。
なんて風流で可憐な名前なんでしょう。
今朝、つぼみが名前通りに朝露に揺れていました。
もう今にも咲きそうなつぼみです。

名前が美しいので、題では「フウロソウ」としたものの、
実際には、フウロソウ属フウロソウ科で、
植物の名前としては「フウロ」と末尾につくものがあるのみ。
いくつか種類があり、どれもとても似ているので、
これが何なのかはさっぱりわかりません。
これかな、と辛うじて思えるのは、
「ゲンノショウコ」「シコクフウロ(イヨフウロ)」
「タチフウロ」「ミツバフウロ」…といった感じ。

母の祖母は、お腹をこわしたりすると
よくフウロソウを噛んでいたそうです。
実際、胃腸を整える効能があるようで、
そういえば「ゲンノショウコ」の名の由来は
「(胃腸に)現に(効く)証拠」とのこと。
平安時代には、牛の病気を治す薬草「牛扁」として
日本最古の百科事典といわれる
『和名抄(わみょうしょう)』に記されているそう。
江戸時代には博物学者の貝原益軒の『大和本草』に
陰干しにして粉末にし湯にて服す。能く痢を治す。
赤痢にも可也。また煎じても或は細末にし丸薬としても皆効果がある。
と記され、現在でも、たとえば長野県のある産婦人科では、
冷え性と婦人病解消用の入浴剤として使われているらしい。
(参考:やなぎ堂薬局ホームページより
名前は、「フウロソウ」とは、由来の趣があまりに違いすぎて
ちょっとスカされたようで笑ってしまうところですが。


今、もう一度見に行ってみると、
まさに咲いたところでした!
(びっくり。こちらは私が撮影)






薬効があるのもとてもありがたいことですが、
この、左右対称の花の、
手をまっすぐに一生懸命に伸ばしたような
慎ましい姿もいいものです。
寄って見てみると、色の取り合わせの良さにも感心します。
げんのしょうこの おのれひそかな 花と咲く (種田山頭火)
夕明り げんのしょうこを次々に
人たづさへて 現るる坂 (与謝野晶子)
うちかゞみ げんのしようこの 花を見る (高浜虚子)
頭の中に映る静かな景色が
夏へと走り出したい気持ちをすぅっと鎮めるようです。

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紹介するブログ『R197』。
いよいよ泥んこ祭りの真髄です。

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