2011/07/05

2011-07-05:ヤマハハコ(ヤマホウコ)


















天狗高原(四国カルスト)を
愛媛県に向けて超えると街がまた見えてきます。
大野ケ原という街です。
同じ四国カルストでも、気温や湿度、天候の関係か、
高知県側と愛媛県側とでは生きている木も、
または木々の生息の仕方も違い、
『アルプスの少女』とか『大草原の小さな家』とか、
あーゆー感じを彷彿とさせる牧場の風景、といったところ。
4〜5年前、そこで小学生くらいの女の子が
「私が育てたの」と植物を売っていたそうです。
どうにも買わなければいけない気になって購入したヤマハハコ。
紆余曲折を経て、やっと大きくなりました。

ハハコグサと似ていて、山に生息していることから、名前は「ヤマハハコ」。
さらに、ヤマハハコより葉の幅が細いものが「ホソバノヤマハハコ」。
ちなみに「ハハコグサ」とは、子を背負った母の姿を象った名。
なので、漢字で書くと「細葉の山母子」となります。
うちのは、もしかしたら、ホソバノヤマハハコかもしれません。
ヤマハハコは東日本〜北日本に生息し、
ホソバノヤマハハコは西日本を中心としているそうです。
※名前で言うなら、牧野博士によると
ヤマハハコの名「ヤマホウコ」というのが正しいらしく、
「子を背負った母の姿を〜」というのはこじつけた由来との話もあります。

白と、黒に近い、深い緑の葉・茎のおかげで、
もう夏になろうというのに、
葉や茎にある綿毛のおかげで、水滴が雪か氷のようにも。
夏は、特に“南国高知”であれば、
もっと色とりどりの南国の花を期待するところで、
ならば、無条件に華やかだったりショッキングな印象となるのですが、
これはそのイメージとは全然違う。
目に見えているこの白い花のようなものは、葉が進化した萼。
(ハハコグサだと、ここが黄色になるのです)
すっくと姿勢を正した植物には、近寄りがたい思慮深さが見え隠れし、
むしろ、そのシリアスな表情にドキリとなります。
その期待を裏切る感じはまた、大きな魅力なのです。

8月ごろになれば、この先に黄色い頭花をつけます。
そして、雌花だけが結実します。

2 件のコメント:

  1. ヤマハハコは四国カルストを代表するような花。かつては無数に生えていたのに、最近ではあまり見られなくなってしまいました。外来タンポポなどに生育域を侵されているのか。とても悲しい。

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  2. そうですね。四国カルストは、どこへ行ってもタンポポだらけ。それもそれでポップでカワイイけれど、ヤマハハコのシックな感じにはかないそうにないですね。

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